筆者が個人的に注目している近距離無線通信の規格として、iBeaconとNFCが挙げられる。どちらも、近距離の通信のための規格であるが、特性は大きく異なる。iBeaconについて簡単ながら概要を掴みたい。

iBeacon

iBeaconは、ローレベルではBluetooth Low Energy(BLE)を利用している。
BLEはBluetooth 4.0 の拡張仕様の一部であり、低消費電力で通信できる。ボタン電池で数年持つと言われる。
http://sp.e-words.jp/w/BLE.html
Wikipedia(EN)にはBLEについてもう少し詳しく書いてある。
http://en.m.wikipedia.org/wiki/Bluetooth_low_energy
BLE仕様のpdfを見ることもできる。これまでのBTの用途といえば、音声やらビデオなどの大容量のデータ通信が主だったが、BLEが得意とするのは、デバイスの状態だとか低容量データだ。通信距離は(開けた場所で)150mと、けっこう広い。
http://chapters.comsoc.org/vancouver/BTLER3.pdf

iBeaconを構成するBLEは上記の通りだが、ではiBeaconとは何だ?というと、Appleが策定した、iOS用のAPIサービス仕様だという。かなり上レベルのレイヤーを指している。また、意外なことにAndroidでも対応しているという記載もあるが、AndroidではBLEをそのまま解釈するしか無さそうだ。
http://www.slideshare.net/Qoncept/qoncept-bluetooth
iBeaconという名前とAPIフレームワークを使うには、MFi(Made For iPhone)ライセンスへの参加が必要である。

iBeaconデバイスの主な使い方としては、周期的に信号をブロードキャストしまくるという動きだ。一番よく聞くのが、ショップなどに設置してクーポンを配ったり、サーバーでロギングするなどか。iOSはOSの機能としてこのiBeaconを組み込んでいるので、利用者は特定のアプリを導入する必要が無いのはうれしい。一方でAndroidは、BLEを解釈することは出来るが、OSとしてビーコンを意識しているわけでは無いので、補足するためには対応したアプリケーションを立ち上げっぱなしにしておく必要がある。Androidユーザーは、相当がんばらないと利用できないというわけだ。

Appleは、iBeaconという名前でBLEをラップすることで、だいぶBLEの利用用途の方向性を絞っている。よくわからないBLEという仕様よりも、「ビーコン」という記号はだいぶわかりやすいし、受け入れやすいだろう。よく考えれば、BTという単語は「ギークの為の周辺機器」を連想させて、ユーザーも設置者も開発者も萎縮させてしまいそうだ。 こういうところはブランディングが上手いなぁと関心する。一方で、ライセンスでしばられているので、利用者にとっては粗悪なデバイスから保護されるかもしれないが、貧乏開発者には嬉しくない話だ。

BLEは「ビーコン」以外の、意外な使い方がまだ隠されていそうである。

NFCについてはまた後日書こう。